小型AIデータセンター(コンテナ型)とは

青空の下に積み重ねられた赤と青の輸送用コンテナ
Photo by Jan van der Wolf on Pexels

40フィートのコンテナにGPUサーバーと冷却設備を収めた「小型AIデータセンター」が増えています。数億円・1年以内で導入でき、工場や研究所の敷地にも置けるのが特徴です。仕組みと国内の主な事例をまとめました。

大型データセンターとの違い

小型AIデータセンターは、輸送用コンテナやモジュール型の建屋に、GPUサーバー・電源・冷却設備を一式収めたものです。建物から建てる大型データセンターが計画から稼働まで数年かかるのに対し、工場で組み立てたコンテナを運んで設置するため短期間で導入でき、必要に応じてコンテナを増やして拡張できます。

初期費用3億円から、最短8カ月

2026年9月8日には、NTTPCコミュニケーションズ、ゲットワークス、フィックスターズの3社が、コンテナ型のAI基盤「水冷GPUコンテナDC-PKG」の提供を始めました。40フィートコンテナに水冷の冷却設備と、NVIDIA HGX B300を搭載したサーバーを収め、設計・構築から監視・運用支援までをまとめて提供します。

価格はスモール構成で初期費用3億円から、月額75万円から(いずれも税別)、納期は最短8カ月です。

なぜクラウドではなく「自社の敷地」なのか

3社は、企業がAI基盤を自社の敷地に置きたい理由として、機密データを外部に出したくないこと、ネットワークの制約、大容量データをやり取りする通信コスト、遠く離れた設備を運用する負担を挙げています。想定する使い方は、機密データを使った生成AIの利用や、製造業で設計データや生産ラインの映像を使う外観検査・異常検知などです。

一方で、水冷サーバーを設計・構築できる人材の不足や、導入後の運用・保守の負担が課題とされ、こうした部分をまとめて請け負うサービスが出てきています。

国内で広がるコンテナ型の拠点

コンテナ型は、企業の敷地内だけでなく、事業者がまとめて設置してGPUの計算能力を提供する拠点としても増えています。北海道苫小牧市の「美沢の杜AIコンテナパーク」(ゲットワークス)は2026年3月に運転を始め、宮城県七ヶ浜町では東北電力がコンテナ10棟のデータセンターを2026年7月に開業しました。

石狩市ではNTT-MEが最大14区画のコンテナ型拠点を建設中で、東京都大田区ではNTTドコモビジネスと東京電力パワーグリッドが、都内にコンテナを分散して置く「コンテナDCパーク」の第1弾を2027年秋に始める予定です。

政府も、電力系統の負担を抑える分散型データセンターの活用を進める方針を示しています(内閣官房「中間とりまとめ」2025年12月)。各拠点の詳細は下の「関連データセンター」からご覧いただけます。

最終更新日: 2026-09-27

関連データセンター

関連記事

  • 「GX戦略地域」(データセンター集積型)とは

    経済産業省は2026年9月11日、「GX戦略地域」の第1弾として18地域を認定しました。このうちデータセンター集積型は9地域・10地点です。制度のねらいと認定された地域、周辺でこのサイトに掲載しているデータセンターをまとめました。

  • 液冷(リキッドクーリング)とは

    AI向けサーバーの高発熱化に対応するため、従来の空冷に代わって液体で冷却する「液冷」を採用するデータセンターが増えています。

  • GPUデータセンターは、従来のデータセンターと何が違うのか

    「ラックを貸す」従来型のCPU中心データセンターに対し、GPU中心のAIデータセンターは電力密度・冷却方式・ネットワーク構成のいずれも設計思想が大きく異なります。

  • 日本のAI・GPU対応データセンター一覧

    生成AIの普及を受け、GPUサーバーの搭載や液冷対応を掲げて建設・計画されているデータセンターが全国に広がっています。地域ごとの傾向と、このサイトで確認できている主な施設をまとめました。