液冷(リキッドクーリング)とは

工業用の配管設備のイメージ
Photo by Peter Herrmann on Unsplash

AI向けサーバーの高発熱化に対応するため、従来の空冷に代わって液体で冷却する「液冷」を採用するデータセンターが増えています。

液冷(リキッドクーリング)とは、サーバーやGPUなどのIT機器が発する熱を、空気ではなく液体(水や特殊な冷却液)を使って取り除く冷却方式です。従来の多くのデータセンターは、ファンで空気を循環させてサーバーを冷やす「空冷」を採用してきましたが、生成AI向けのGPUサーバーは消費電力・発熱量が従来のCPUサーバーよりも大幅に大きいため、空冷だけでは十分に冷却しきれないケースが増えています。

液冷には、主に「直接液冷(Direct-to-Chip)」と「液浸冷却(Immersion Cooling)」の2つの方式があります。直接液冷は、CPUやGPUのチップ上に取り付けた水冷ブロックに冷却液を循環させる方式で、既存のサーバー筐体をベースに導入しやすいことから、AIデータセンターで広く採用され始めています。液浸冷却は、サーバー基板ごと専用の冷却液に浸す方式で、より高い冷却効率が期待できますが、設備・運用の変更が大きいため導入例はまだ限られています。

液冷を採用するメリットは、冷却効率の高さによる消費電力の削減(PUEの改善)と、より高密度にサーバーを設置できることです。空冷では熱がこもりやすく難しかった高密度なラック構成も、液冷であれば実現しやすくなります。一方で、液体を扱う分、水漏れ対策や既存設備からの改修コストが課題になることもあります。

このサイトでは、公式発表の中で液冷対応について具体的に言及されている施設について、その旨を施設概要に記載しています。今後、AI向けデータセンターの新設が増えるにつれて、液冷対応の有無は施設選定における重要な判断材料の一つになっていくとみられます。

最終更新日: 2026-07-26

関連データセンター

関連記事

  • GPUデータセンターは、従来のデータセンターと何が違うのか

    「ラックを貸す」従来型のCPU中心データセンターに対し、GPU中心のAIデータセンターは電力密度・冷却方式・ネットワーク構成のいずれも設計思想が大きく異なります。

  • PUE(電力使用効率)とは

    データセンター全体の消費電力のうち、どれだけがIT機器(サーバーなど)に使われているかを示す指標。1に近いほどエネルギー効率が良いとされます。

  • 「宇宙データセンター」構想とは

    人工衛星にAI向けチップを搭載し、軌道上で計算処理を行う「宇宙データセンター」構想が、Google等により実証段階に入っています。地上とは全く異なる制約を解説します。

  • 日本のAI・GPU対応データセンター一覧

    生成AIの普及を受け、GPUサーバーの搭載や液冷対応を掲げて建設・計画されているデータセンターが全国に広がっています。地域ごとの傾向と、このサイトで確認できている主な施設をまとめました。